社長の実験録

本掛けはもう必要ない かもしれない

マルキュー代表、久田大介の写真
マルキュー寝具代表・久田大介

 

先に結論から書きます

 

私はもう本掛けを使っていません。

 

使っている布団は、羽毛の

「合掛け」「肌掛け」だけです。

 

この2枚で一年中使いまわせます。

 

春は→「合掛け」

夏は→「肌掛け」

秋は→「合掛け」

冬は→「肌掛け」「合掛け」の組み合わせ

 

これなら収納も減らせるうえに

寒い冬も本掛け1枚より温かいです。

 

断熱住宅で冬でも暖かい部屋なら、

本掛けより合掛け1枚でちょうどいい。

 

本掛けはとても保温力の高い良い布団です。

 

でも私は本掛けをやめました。

 

 

(経緯や詳細は、下の体験レポートに記します。)

 

 


私が本掛けをやめるまで

近くの湖に飛来してきた白鳥の画像
会社近くの湖に飛来してきた白鳥

 

 

 冬、近くの湖に飛来する白鳥を見て気が付きました。

 

「なんであんなに少ない羽毛の量で彼らは寒くないんだ?」

 

 冬用の羽毛布団(本掛け)は鳥数十羽分の羽毛を使用しています。

 それだけ大量の羽毛を使った本掛けですが、冬にそれ1枚だけで寝ている人はどれ位いるのでしょうか?

 

 私も毛布を本掛けの上に掛けて寝ていました。それでも極寒の夜には寒さを感じることがありました。

 

 本掛けはあんなに大量の羽毛を使っているのに、まだ寒く感じるのはなぜだろう?

 

 そう考えるといろんな疑問が湧いてきました。

 

・ダウンジャケットは本掛けより羽毛が入っていないのに、冬の野外でも十分温かい

・羽毛寝袋も本掛けより羽毛を使っていないのに野外でマイナス5度でも使える

 

 鳥、ダウンジャケット、寝袋、3つに共通しているのは…

 

 『体に密着して冷気(外気)が侵入しづらい構造』になっていること。

 

 布団は上から掛けているだけで、体との間にスキマができやすい。

 

 皮肉なことに、保温性を上げるために羽毛を多く入れて厚くするとフィット性が悪くなり、さらにスキマができやすくなってしまう。(特に首まわり)

 

 冷気(外気)侵入を防げれば、羽毛はもっと減らしてもいいのではないか?

  本掛けほどの羽毛量がなくても大丈夫なんじゃないか?(本掛けは羽毛量1,100g以上)

 

 そこで私は羽毛合掛け布団(羽毛量800g)を作り、真冬にそれ一枚だけで寝てみることにしました。合掛けは通常、秋頃に使用する布団です。※羽毛は中国産ダックダウン85%を使用。

 

 ちなみに、ここは青森県。冬、夜の外気温はマイナスになります。家は築40年を超えていて就寝時の室温は2℃くらいまで下がることがあります。

 

 合掛けで寝ると言ってもただ掛けるだけではなく、首回りを寝袋のように包んで密着させて冷気侵入を防ぐように眠りました。

 

 結果、寒さは感じませんでした。

 

 ただ、首元を密着させるように包んでも寝返りなどで動いた時に冷気が侵入しやすいので動きが取りづらいという難点がありました。

 

 そこで、合掛けより薄く、体にフィットする肌掛け(羽毛量200g)を作り、それを最初に体に掛け、その上に合掛けを掛けるという2枚組のスタイルにしてみました。

※肌掛け、合掛けの両方にカバーを掛けた、2枚ともに独立した状態です。

 

 これがとても楽で温かかった。

 

 肌掛けは体に密着するようにフィットしてくれるので、首回りを包むのが楽で、動いても冷気が入りづらくとても温かい。

 

 こうして私は、冬の本掛けをやめて合掛けと肌掛けだけで寝るようになりました。

 

 布団の保温能力を高めることばかり気にしていましたが、防寒対策でもうひとつ大事なのは『冷気侵入を防ぐ』こと。

 

 冷気侵入対策をしないまま、いくら布団の保温性能を上げても寒さ対策には片手落ちだということを身をもって理解しました。

 

 最後に、本掛けが悪いものだと言いたいわけではありません。本掛けが気に入っていれば、そのまま使い続けていいと思います。本掛けに肌掛けを足せば、冷気侵入対策と保温性能は最高になります。

 

 私はただ、どれくらいの羽毛が布団に必要なのか知りたかっただけです。

 

 ただ、これから新しく羽毛布団を選ぶ(リフォームで作り直す)のであれば、一つの選択肢として合掛けや肌掛けも念頭に置いていいのではないでしょうか。

 

 マルキュー寝具代表:久田大介